何も写っていない / 光がある: September 21, 2020
-
A
-
B
-
C
-
D
CONTEXT:
直近の2週間で1000枚以上の写真を撮った。その中から4点(A-D)の写真を提示する。
●A→主題がない
●B→繊細すぎる
●C→ピンボケ
●D→ありきたり
共通して、何も写っていない写真たち。いわゆるスナップショットで、個々にみたときには作品としての行き場がない。かといって、すぐに消してしまえるほど無意味な写真だとは思えなかった。膨大な写真の整理をしていると、こうした宙ぶらりんな写真がいくつかでてくる。
心に引っかかるものが何なのか。注意深く選び取り、並べることで意味を救い出そうと考えた。
A-Dからはシャッターを切る初期衝動のようなものを感じている。
初めてカメラを手にしたような無邪気さと、光景を記録できることに対する期待。そういったものが詰まっている。
構図や色味がバチッと決まっている写真よりも、生々しい光の蠢きがまだそこに残っているようで惹かれるのかもしれない。
(写真表現をどう捉えているか)
私が美術的な意識をもって写真を撮るようになったのは、仕事・プライベート含め、ここ5年のことだ。それまでは写真を見ることも、撮ることもそこまでの関心がなかった。あまりに整理された写真を見ると「これなら絵の方が面白い」とか「CGで良いじゃないか」と思ってしまうこともあった。なので「良い写真とは何か」「どこから作品として捉えるか」という基準については曖昧な部分が多い。それでは何を頼りに写真を考えているかというと、おそらく、これまで観てきた映像(主に映画)なのだと思う。