Masaaki Kuroiwa  10. 霧のシューシ: November 01, 2020

CONTEXT:

作品を再現するためのガイドは、それ自体も美しいと思う。

建築物や家具の図面は緻密だし、料理のレシピはとても簡潔。
中でも楽譜は、音を記号(あのようなオタマジャクシ!)で記録するのだから感心してしまう。演奏する人によって解釈が変わるから100%再現できないし、作曲者の意図をどれくらい汲み取るかジャンルによって違うのも面白い。

今回、初めて記譜に挑戦してみたけれど、誰かへ手がかりを残すような行為がとても気に入った。

 

(楽曲について)
最近読んだ本の中でアルメニアは貧しくも美しい国だと記されていた。同時期にニュースでナゴルノ・カラバフ紛争のことが流れていて、気になってYoutubeで調べてみると、2年前のナゴルノ・カラバフを歩く映像が見つかった。
深い霧に覆われた街と戦痕を見て、なんとも言えず心にこみ上げるものがあり、それを音楽にしようと決めた。

ピアノを弾きながら楽曲を作り、楽譜にして、それを見ながら弾いてみる。
「譜面通りに」と思うほどミスタッチばかり、気づけば譜面を見ずに弾いていて…
弾く度に違う曲。

Kouki Aiba  9. 孤独(パズルを作って解く): October 19, 2020

CONTEXT:

孤独というものをしっかりと感じたことがないので、孤独になれそうなことを考えた。
本来一人ではしないことを一人でしたら孤独になれそうなので、ピクロスを作って自分で解いた。

やってみると絵を考えてそれをパズルにして解くまでものすごく時間がかかる。
孤独になるために始めたことだけど、むしろ孤独を感じたらこういうことをしていたら気が紛れるんじゃないかと思う。

絵を数字に置き換えるということ。(暗号とか画像とか)
解くことが描くことになるということ。(描くという行為について)
だれでも同じ絵が描ける〔解ける〕こと。
などなど、絵のつくりかたとしてもおもしろかった。大きなサイズで再挑戦したい。

 


ピクロス_wikipedia


Cross Stitch World

ANDY  WARHOL [DANCE DIAGRAM] 1981

Masaaki Kuroiwa  8. 自然の中の孤独: October 05, 2020

  • acrylic painting, canvas, 409 × 318 mm

CONTEXT:

家から駅までの道、スーパーへの道はいつも同じ道だから、そこにある花や草木は自然と気になってくる。

普段はそれらから親密な印象を受けるけれど、自分の調子が悪いとき、植物は真逆の顔を見せる。とても無愛想で、どこか拒絶されているような気さえする。(風が強い場合は特にひどい)

映画『緑の光線』で、野原をひとり散歩する女性が、唐突に泣き出すシーンがある。直前のカットでは風が轟々と吹き、草木が乱暴に揺れる様子が描かれている。

監督はインタビューの中で、この場面を「自然の中の孤独」だと言っている。
こういった孤独感は誰しも感じ得るのだろうか。

Kouki Aiba  7. flower vase: September 28, 2020

CONTEXT:

何回かこの投稿のやりとりをしてみて返答の仕方も色々あるし、返答それ自体にもらしさが出ることがわかった。
ひとつ前のやりとりはなんかテレフォン人生相談みたいになってしまって恥ずかしい。

自分のことだと見失ってしまうけど、私はみんながユニークに生きればいいと常々思っているのだった。
人のどうしようもない部分とか、くだらなさとか、業(ごう)とかが肯定されて生きられれば良くて
少くともそういうものが否定されるのは最低だと考えている。

今回は新しく作ったものではなく、先月一ヶ月くらい制作して展示していたものを提示しようと思う。
以下展示ステートメント

『最近部屋に花を飾るようになって、本当にいろいろな種類の花があって楽しい。

それぞれの花の良さがあってそれについて花瓶を選ぶように、みんながありのままに咲ける関係性や社会であってほしいし、
少なくとも自分を否定する必要はない。ということを考えながらつくりました。
簡単に言えば桜梅桃李です。
たまに見て、前向きな気持ちになってもらえれば嬉しいです。

普段はデスクトップで絵を設計して大体そのまま印刷などされますが、
仕上がりを逆算せずに、不確定な要素も含みました。
PC上で作図した絵を切り抜き、エアブラシでステンシルして図形を描きました。
縁がぼやけたりしているのはそのためです。あまりに汚れたら修正したりしています。
普段のデザインの仕事とは違う、自分の想像していなかった色やニュアンスが現れていくのが楽しい制作でした。 2020.8』

Masaaki Kuroiwa  6. 何も写っていない / 光がある: September 21, 2020

  • A

  • B

  • C

  • D

CONTEXT:

直近の2週間で1000枚以上の写真を撮った。その中から4点(A-D)の写真を提示する。

●A→主題がない
●B→繊細すぎる
●C→ピンボケ
●D→ありきたり

共通して、何も写っていない写真たち。いわゆるスナップショットで、個々にみたときには作品としての行き場がない。かといって、すぐに消してしまえるほど無意味な写真だとは思えなかった。膨大な写真の整理をしていると、こうした宙ぶらりんな写真がいくつかでてくる。
心に引っかかるものが何なのか。注意深く選び取り、並べることで意味を救い出そうと考えた。

A-Dからはシャッターを切る初期衝動のようなものを感じている。
初めてカメラを手にしたような無邪気さと、光景を記録できることに対する期待。そういったものが詰まっている。
構図や色味がバチッと決まっている写真よりも、生々しい光の蠢きがまだそこに残っているようで惹かれるのかもしれない。

(写真表現をどう捉えているか)
私が美術的な意識をもって写真を撮るようになったのは、仕事・プライベート含め、ここ5年のことだ。それまでは写真を見ることも、撮ることもそこまでの関心がなかった。あまりに整理された写真を見ると「これなら絵の方が面白い」とか「CGで良いじゃないか」と思ってしまうこともあった。なので「良い写真とは何か」「どこから作品として捉えるか」という基準については曖昧な部分が多い。それでは何を頼りに写真を考えているかというと、おそらく、これまで観てきた映像(主に映画)なのだと思う。